公務員の土木職は日本のインフラ整備を支える重要な職種です。
しかし、具体的にどのような仕事内容なのか分からない方も多いはずです。
公務員土木職の仕事内容は、経験したことない人からするとどのような業務をしているのか知られていません。
そこで、
- 公務員土木職に就職を考えている
- 公務員土木職の仕事内容を知りたい
- 民間の土木職との違いを知りたい
といった方向けに、公務員土木職はどんな仕事をしているのかについて、部署での仕事内容の違いも含めて説明していきます。
また、公務員土木職のメリットやデメリットも触れていきます。
仕事内容は?
公務員土木職は、予算計画の作成、予算要望、工事・委託の発注、現場立ち合い、書類の確認が主な仕事内容です。
担当業務としては、
- 道路建設、維持管理
- 河川、海岸
- 港湾(漁港)
- 砂防
- 都市計画
- 都市整備
- 災害復旧
などがあります。
それぞれの業務について、説明していきます。
道路建設、維持管理
主な業務として、新しい道路の建設や管理している道路(国県道等)の修繕等を行います。
具体的には、新しい道路の計画に関わる調査、検討、調整、工事や道路の穴ぼこなどの修繕や橋梁の修繕・耐震補強などを行い、安全に走行できる道路環境づくりに携わります。
また、道の駅整備やバリアフリー整備も行い、快適に通行できる環境づくりもしております。
河川
主な業務として、河川、ダム、海岸の改良や維持管理を行います。
具体的には、河川計画に基づく河川堤防の整備や河川内に堆積した土砂の撤去などの維持管理、ダムの維持管理、海岸の浸食対策や津波対策などの海岸の整備・維持管理を行い、安心して暮らせる環境づくりに携わります。
最近では、多自然川づくりも積極的に行っており、河川全体の自然の営みや生物の生息、地域の暮らしに配慮した河川空間の整備、管理もしております。
港湾(漁港)
主な業務として、港湾・漁港の整備や維持管理を行います。
具体的には、大型の貨物船・客船が着船できるように港の整備する工事や港に堆積した土砂の撤去などを行い、物流などを支える環境づくりに携わります。
また、漁船が着船する漁港の整備なども行います。
砂防・ダム
主な業務として、急傾斜地崩壊危険区域内などの急傾斜地の崩壊防止対策などを行います。
具体的には、急傾斜地箇所にコンクリート吹き付けなどを行う工事を行い、土砂災害から人命を守る環境づくりに携わります。
近年は、ダムの新規建設は少なくなっておりますが、ダムを観光資源として活用することもあり、ダムカレーが食べられるダムも増えてきております。
都市計画
主な業務として、都市計画の決定・変更、開発許可等を行います。
具体的には、都市計画道路の検討・決定や土地利用の検討・決定、街づくり支援や景観に関する業務を行い、快適に暮らせる環境づくりの計画に携わります。
都市整備
主な業務として、街路の整備や公園の整備・維持管理を行います。
市街地における街路整備の工事や公園の整備工事、維持管理などの業務を行い、快適に暮らせる環境づくりの整備に携わります。
また、街路樹の整備や電線の地中化などにより景観に配慮したまちづくりも行っております。
災害復旧
河川の氾濫や地震、土砂崩れなどの大きな災害が発生した場合、土木職員総動員で災害復旧を行います。
具体的には、災害現場に出向き、復旧方法の検討や予算規模を算出し、復旧工事を発注・監督の業務を行い、いち早く安全に暮らせる環境づくりに携わります。
本庁と出先事務所の仕事内容の違いは?
公務員土木職は、都道府県庁の場合、本庁と出先事務所などで仕事内容が大きく異なります。
それではひとつずつ解説していきます。
本庁
公務員土木職の本庁での仕事内容は、議会資料の作成、予算調整、出先事務所や他部局との調整を主に行っております。
正直、土木の専門知識を求められているわけではなく、調整、資料作成、説明の能力が重要です。(土木の専門知識も必要な場合もありますが)
特に若いうちは、エクセル、ワード、パワーポイントが使いこなせるかどうかでデータの取りまとめや書類作成のスピードに差が出てきます。
上司に資料の修正をお願いされることは山ほどあり、1回の修正で終わることはほぼありません。(上司が上役に説明し、修正がさらに生じるため)
学生時代に土木を専門で勉強してきて、仕事に活かしたいと思っている人ほど、ギャップが大きく感じてしまうかもしれません。
出先事務所
公務員土木職の出先機関の仕事内容は、工事・委託の発注及び監督、工事などに関わる調整、住民対応を主におこなっております。
工事の監督業務は、実際に現場に出向き、発注した内容どおり進んでいるかや基準どおり施工しているかなどを確認したりします。
若い職員は、年上の業者の担当者に指示を出したりすることもあるため、最初のころは慣れていないことや知識不足で苦労することもあるでしょう。
本庁の業務と異なり、出先事務所は学生時代に学んだ土木の知識を活かせることが多いです。
さらに学生時代の知識だけだは、理解できないこともあるため、施工管理技士や技術士の資格があると仕事がしやすくなります。
その他
「本庁と出先事務所以外に配属先があるの?」と思われるかもしれませんが、国の機関や民間企業などに出向という形で配属になることもあります。
都道府県庁(政令市含む)の場合、国土交通省(本省)や研究機関、JRやNEXCOなどの民間企業が挙げられます。
基本的には1~2年の期間で戻ってくることが多いです。
公務員土木職のメリット、デメリットは?
公務員土木職は大規模な工事から小規模な工事を行うため、たくさんの人や企業と関わりがあります。
公務員土木職のメリット、デメリットについて、紹介します。
公務員土木職のメリット
公務員土木職は、計画、工事、維持管理などの幅広い仕事内容に携わることができることや道路、河川、港湾などの様々な担当業務を行えます。
そのため、仕事内容に飽きることはあまりないでしょう。
また、多くの人と関わり調整した工事が無事終わった時の達成感を味わえるのは大きなメリットと言えるでしょう。
インフラ整備全般に関わる仕事をしたい人や地図に残るような仕事に携わりたい人には、公務員土木職はおすすめです。
公務員土木職のデメリット
公務員土木職は、人の命や安全に関わる重要な仕事のため、とても責任感が求められます。
そのため、災害が発生した際には、昼夜寝る時間がないほど業務に明け暮れることもあります。自然災害に業務量が大きく左右されやすい点はデメリットであるかもしれません。(通常業務+αのため)
また、公務員は定時であがれるという先入観で入庁してしまうと、残業が多い部署もあるため、残業をしたくない人にはおすすめしません。
最後に
公務員土木職は、人々が安全・快適に暮らせるインフラ整備を行う必要不可欠な職業です。そのため、やりがいもあり、人の役にたてる仕事です。
もし、公務員土木職と民間企業に悩んでいる人は、インターンシップなどを通じて、現役の公務員土木職に聞いてみるのも良いでしょう。
就職先に悩んでいる人の背中を後押し出来たらと思い、この記事を書きました。少しでも参考になれば幸いです。
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